企画text07memo
此処に眠る。

視点:i 誤解

スーパーダーリンが通りまーす!*おまけ



甲の日。教員室にて。イルカ。
「聞いて下さいよ、ミシャ先生。今日、上忍師の先生と個別の打ち合わせ、ああそう、うちナルトがいたんで。で、やったんですけど、なんか思ってたよりちゃんと会話が成立して。びっくりしました。」
「えっと、カカシ先生です。え。どんなって、だから普通の……。いや初めましての十分後にいきなり彼女いるとかいないとかって話、する訳ないでしょ。」
「ど、どど童……俺の清らかさん問題はいま関係ないっスよね! まあ、まだ続きがあるんで、聞いて下さいって。そうそう。帰り際にね、背中の怪我はもういいんですかって! 筋肉が変にくっ付いたら後々苦労するから、面倒でもリハビリは最後まできっちり通った方がいいですよ、って!」
「いや開きませんよ。え、嫌です。嫌ですって。……。ああ、もう、分かりましたよ、しょうがないなあ。一回だけですよ。じゃあ、いきます。……傷口、開くかと思っちゃった……。」
「あ! 興風(おきかぜ)先生! 違うんです、言わされたんです! そんな目で俺を見ないで下さい!」

ラジオから。“夜の黒髪”。
「佐糜(さび)兄さん、こんにちは。初めてお便りしました。いつも楽しく聴いています。さっそくですが、聞いて下さい。好きな人ができました。私はいい歳をした大人、相手もそうなのですが、互いの持ち場が違うため、言葉を交わす機会もこれまでありませんでした。それが、本日たまたまちょっと喋ったら、我ながらいとも容易く、恋に落ちてしまったのです。私の負った怪我の予後を気遣うような話まで去り際にされて、もう一発必中。しびれて傷口が開くかと思いました。しかし、誰にも言えない道ならぬ恋なので、筆を取り、せめて密かにここで打ち明けさせてもらいたく、またリクエスト曲で慰められるかと思い、投稿することにしました。リクエストは『禁じられた遊び』。」

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乙の日。教員室にて。イルカ。
「興風先生、ちょっと調子に乗っちゃっていいっスか。俺、昨日、受付やってたんですけど、そこで嬉しい言葉もらっちゃいました。ぐ、ふふ、ふふふふ。え、いやあ、なんかねえ、元生徒が俺のことを尊敬してるっていうのを、認めてくれてるっていうか、遠回しに肯定された気がするっていうか。なんか、俺も捨てたもんじゃねえんじゃねえかって思わせてくれて。なんか、なんか、俺もああいうことがさらっと口に出せる男になりてえってーか! それで――あ、ミシャ先生。」
「全然全然、なんでもないです。ちょ、興風先生、口軽い! ほら、もうすごい顔になった! え、ええー……、……、……シ先生……。はあ?! 何かってえとそれ持ち出してくるのやめてもらえませんかね、セクハラですよ! があ、もう、カカシ先生ですよ!」

ラジオから。“夜の黒髪”。
「佐糜兄さん、こんにちは。この間、道ならぬ恋をしたと投稿した者です。少し嬉しい進展がありました。相手は優秀な忍ですし、私のことなんて、と思っていたのですが、なんと私はちゃんと認識されているようで、しかも、くすぐったくなるような言葉を掛けられたのです。私は某窓口を担当していたのですが、奥手な私に対して彼の方が積極的に話を繋いでくれたおかげで、その後も暫く立ち話ができました。もっと仲良くなりたいと思うことは、やはり罪深いでしょうか。リクエストは『カルメンのハバネラ』。」

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終.
(2016.09)
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